Appreciate Happiness ブータン・ブログ

    ブータン政府で首相フェローとして働いた日本人のブログ。Bhutan Blog by a Japanese worked as Bhutan Prime Minister's Fellow.

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    ブータンおすすめ本(2):本林靖久「ブータンと幸福論」高野秀行「未来国家ブータン」 Book recommendation for Japanese readers (2)

    (Sorry, this article is only in Japanese since I write about books on Bhutan written in Japanese.)
    (お知らせ)日本ギャップイヤー推進機構協会(JGAP)にエッセイを寄稿しました。
    「ブータンで幸せの意味を考える1年~リスクは自分への投資」と題し、これまでのキャリアの転機について書いています。ご笑覧ください。
    http://japangap.jp/essay/2012/05/post-25.html

    今回はブータンオススメ本を2冊紹介したいと思います。

    1.本林靖久「ブータンと幸福論」
    雑誌月刊望星5月号「ブータンvsニッポン シアワセ対決!」(http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/contents/1205.html
    で僕は「ブータンという人柄」というエッセイを寄稿させて頂きましたが、そのブータン特集で巻頭記事を担当されていたのが本林靖久さんです。
    「『小さな幸福』と『大きな幸福』のあいだ」というタイトルの記事では、文化人類学者であり浄土真宗の僧侶でもある本林さんの目から見たブータンの姿が語られています。

    日本人の読者に反響が大きかったらしいのが、お墓を建てないというブータン人の死生観。
    火葬の後、遺灰や骨のほとんどは川に流します。輪廻転生の中で死後四十九日で来世に生まれ変わると信じられているので、墓を建てて供養し続ける必要がないのです。

    肉親が亡くなるのは悲しいことですが、四十九日で次の生命に生まれ変わると信じれば、残された家族も悲しみを引きずらずにすむ気がします。
    先日、日本人の友人の肉親が亡くなってしまったのでこの話をしたところ、「気持ちが少し軽くなった」と言ってくれました。

    ちょうどこの望星が日本で発売されたときに、ブータンでバッタリ本林さんにお会いしました。首都ティンプーですら非常に小さい町なので、ブータンではこういう偶然がしょっちゅうあるんです。
    雑誌を通じてお互い名前を聞いていたので、思いがけない出会いに感激しました。
    僕は地元が大阪で、本林さんも大阪大学で非常勤講師を務めていらっしゃるので、「大阪でブータン関連のイベントができるといいね」と話が盛り上がりました。


    本林さんが以前出版された本が、「ブータンと幸福論」。
    僕自身はまだ拝読できていませんが、宗教の観点から、ブータン人の幸福感の背景が描かれているようです。


    本林さんのブータン観を知るにはこの記事もオススメです:
    http://www.nttcom.co.jp/comzine/no104/wise/index.html

    その本林さんが、明日5月13日日曜日のテレビでブータンの宗教観を日本仏教との関わりも含めてお話するそうなので、是非ご覧ください。


    番組内容:「ブータンの人々が幸福を感じているのは真剣に死と向き合っているから」と宗教人類学者で僧侶の本林靖久さんはいう。ブータンを見つめ続けて見えてきたものとは何か?

    [ 番 組 名 ]   こころの時代 ~宗教・人生~ 「幸せの形と向き合う」
    [チャンネル]   NHK Eテレ/Eテレ3
    [ 放送日時 ]  2012年5月13日(日)午前5:00~午前6:00(60分)
    [ 番組詳細 ]  http://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20120513-31-16733



    2.高野秀行「未来国家ブータン」
    最近はブータン本ブームですが、この本は特に面白い!!
    普段忙しくてなかなか本を読めないのですが、この本は寝る間も惜しんで一気に読んでしまいました。
    筆者高野さんのブータン訪問の目的は、何と「雪男を探すこと」。
    最近まで電気も通らない僻地が多かったブータンは土着信仰も盛んで、不思議なことも起こります。雪男を見たことがある人々がいても違和感がないのがブータンです。

    事前にゾンカ語を勉強して来られただけあって、ブータン人と深い交流をする様子が面白く、住んでいる僕でも知らないブータンの事柄がいくつも登場します。

    エピソードがいちいち面白いのですが、少し紹介すると、
    ・世間の狭さを利用するブータン人
    ブータンは本当に世間が狭いので、みんな知り合いという感じで、首都ティンプーを歩くと必ず知り合いに出くわします。
    高野さんが旅の相棒ツェンチョ君と買い物に行った際のエピソード:


    ツェンチョ君は店の人(両替商)に「やあ」と親しげに挨拶し、実際よりやや良いレートで換えてもらった。
    「ツェンチョ君は顔が広いから助かるね」と私が言うと、ツェンチョ君はくすっと笑った。「ほんとは僕はあの店の人、知らないんです」
    「え?」
    「ブータンは顔見知りが多いでしょ?でも顔や名前をいちいち覚えていないことが多い。だから僕はときどき知り合いのふりをするんです。すると、相手は『誰だか思い出せないけど、知り合いだろう』って思って、まけてくれるんです。」


    世間の狭さを逆手に利用するしたたかさが面白い(笑)。

    ・イクラを食べたがらないブータン人


    ブータン人の友人が日本に来たとき、妻は一緒に寿司屋に言った。彼は「うまい、うまい」と言って寿司をぱくぱく食っていたが、数の子やイクラといった魚卵と白魚だけは「食べられない」と顔をしかめたという。
    ブータン人にとって、大きくても小さくても命は命。だからマグロやタイといった大型の魚を何人かで分けると罪悪感が減るが、一人で何十もの卵や小魚を食うというのは大量虐殺みたいな気分になるらしい。
    さらに、これまた妻の話だが、ブータンの人達に「どの肉が好き?」と質問したところ、「牛肉」という答えが圧倒的だったという。理由は「大きいから」。妻は味の好みを訊いていたつもりが殺生の話にすりかわっていたのだ。


    この話をブータン人の同僚にしたところ、「牛も鶏も結局は殺してるんだから同じだ」という意見もありました。
    ただ、それぞれの動物が雑食か草食かは大事だそうです。草食の牛なら生き物を食べないのでOKだが、例えば魚は色んな生き物(プランクトンとか??)を食べるのでそれを食べるのは罪悪感が高まるのだとか?
    ブータン人によっても言うことは変わります。適当なところもブータン人らしさです。

    高野さんは、ブロクパという遊牧民が住むメラ・サクテンも訪れます。
    メラ・サクテンは、僕がブータンに来て1週間しか経たないときに出張で訪問した思い出深い場所。1日10時間近く歩かないと辿り着けない秘境です。
    P1060205.jpg
    一度訪れた場所なので、そこの文化や人々の様子を興味津々で読み進めました。
    メラ・サクテンで高野さんを世話したレキくんは僕らを去年世話してくれた若者と同一人物な気がします。
    P1060404.jpg
    (記憶が正しければ、左から2番目がレキくん。父親が祈禱師とは知らなかった)

    メラ・サクテンのブログ記事はこちら:
    メラへのトレッキングhttp://thanks2happiness.blog.fc2.com/blog-entry-10.html
    メラからサクテン、そしてゴールへhttp://thanks2happiness.blog.fc2.com/blog-entry-11.html

    当時は高山病が心配でお酒飲まなかったのですが、本来は地元の女性が訪問客に浴びるようにアラ(地酒)を飲ませるのがメラ・サクテン流の歓迎。
    高野さんのように飲みまくれば、僕のメラ・サクテン体験も全く違ったものになったでしょうね。

    ブータンの魅力ってつまるところは「人」だと思うので、ブータン人の生き方や考え方が伝わるこの本は貴重。
    笑いが随所に散りばめられつつ、ブータンが「世界でいちばん幸せな国」である真の理由も示唆深く考察されていて、オススメの1冊です。


    ブータンおすすめ本として以前紹介した「国をつくるという仕事」の著者、西水美恵子さんの新著「あなたの中のリーダーへ」が5月8日に発売になりました。
    先日一時帰国した際に先行販売で入手したので、読むのが楽しみです。


    「あなたの中のリーダーへ」Facebook公式ページはこちら。西水さんが、皆さんの感想を是非Facebookに書き込んでほしいと仰っていました。
    https://www.facebook.com/nishimizu

    先日、世界銀行東京事務所での講演「ブータンの貧困と金融問題」に来て下さった方、Ustreamでご覧頂いた方有難うございました。
    ちょっと早口だったみたいですみません。内容を欲張って詰め込みすぎたかもしれません。
    Ustreamで録画を見れますが、マイクの音が割れているので聴きづらいです。すみません。。。
    http://www.ustream.tv/channel/pic-coffee-hour

    Facebook「ブータン首相フェロー日記」はブログより頻繁に更新しているので、是非フォローして下さい。
    https://www.facebook.com/taktaktictac
    ツイッターでもブータンのことを呟いています。
    https://twitter.com/#!/taktaktictac
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    2012/05/12(土) 12:34:30 ブータンオススメ本・映画 Trackback::0 Comment::2
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    Comment:

    こんにちは!先日コピーでいただいた高橋さんのエッセイ、ブータンやGNHについて分かりやすく解説されていて、ものすごくよかったです!ちょうど日本から遊びに来ていた友人にも見せたところ、ブータンのことがよくわかると言っていました。amazonで望星を注文して、日本の家族に送ろうと思います。「未来国家ブータン」も面白そうですね。併せて買おうと思います!
    1. 2012/05/14(月) 09:05:07 |
    2. URL |
    3. miki #aB7FrtTA
    4. [ 編集]

    mikiさんへ

    mikiさん、望星の感想有難うございます!お友達にまでご紹介いただいたなんて感激です。ブータンに長く住んでいるmikiさんにはあまり目新しい内容ではなかったと思いますが、日本の皆さんに少しでもブータンのことを知ってもらえたらいいなと思って書きました。
    「未来国家ブータン」も読んだら感想教えて下さいね!
    1. 2012/05/14(月) 23:04:00 |
    2. URL |
    3. 髙橋孝郎 #uY8Y/eXA
    4. [ 編集]

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