Appreciate Happiness ブータン・ブログ

    ブータン政府で首相フェローとして働いた日本人のブログ。Bhutan Blog by a Japanese worked as Bhutan Prime Minister's Fellow.

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    GNHとは(3) ブータン首相が語るGNH(国民総幸福) What is GNH?(3) Words from the Prime Minister of Bhutan

    (Sorry, this article is in only Japanese)
    ようやく、下記に首相の話をアップできました。決してわざと引っ張ったわけではなく、ここのところ地方出張+ワシントンDCでの就職活動でスケジュールがきつかったのですみません!推敲してから記事にしたかったので。

    関西生産性本部の主催で関西の企業から経営幹部候補の皆さんが約25名ブータンを訪問された際、GNH委員会の長官に続いて、ティンレー首相との会合が実現しました(長官の話はこちら:http://thanks2happiness.blog.fc2.com/blog-entry-32.html)。元々は、朝の国会前に15分ほどしかお会いできないということだったのですが、急なスケジュール変更によって会合が夕方に延期になり、そのおかげで1時間近くお時間を頂ける幸運となりました。首相はこの会合を非常に大切に思っていて、他の予定を切り上げて時間を作って下さったそうです。

    首相官邸

    以下、Raven Houseという迎賓館で行われた首相のお話です。

    「本日は、直前にスケジュールを変更して頂いて申し訳ありません。実は古都のプナカで12年に1度の大切な法要がありました。辰年の今年は、3つの点でブータンにとって重要です。1つは、ブータンが雷龍の国であること。2つ目は、ブータン仏教が龍に基づく伝統のあること。3つ目は、ブータンの人々が龍の人々(Dragon People)と言われていることです。今日は1週間続く法要が始まる日でした。直前まで連絡がなかったので、急に予定の変更をお願いすることになりました。申し訳ありません。

    政府を代表して皆さんをブータンに歓迎します。辻卓史名誉領事を通じて、皆さんは非常に重要な方々だと伺っています。

    日本とブータンは、非常に近いものがあります。心の底で、お互いに特別な感情を抱いています。経済発展のレベルは全く違いますが、同じ価値観を共有していると思います。
    日本から過去、観光客をはじめとして色んな方に訪問して頂いていますが、日本人の礼儀正しい振る舞いはブータン人の間に強い印象を残しています。ブータンの伝統文化や自然へ示して下さる敬意にも感謝しています。今、ブータンと日本の絆が強まり、熱狂的に関係が深まっているのを感じています。

    ブータンが日本に感謝している一番の理由は、開発援助です。この40年から45年、日本は多大な援助をしてきてくれました。国交が樹立されたのは25年前ですが、援助はその以前から行われています。日本は、農業をはじめとするブータンの大切な分野の発展に寄与してくれました。多くのブータン人にとって、日本は輝かしい見習うべき模範の国です。

    国王・王妃がご成婚のすぐ後に日本を訪問されたことを嬉しく思っています。ブータンの国民もメディアを通じて、国王の訪日を関心を持って見ていました。日本の皇室、政治家、国民の皆様からの歓迎をブータンでも心温かく見守り、日本人が国王を受け入れる姿を見て感動したのです。報道を通じて、日本の皆さんもブータン人が日本に対して抱いている親近感や思いやりの気持ちを持っていることが伝わってきました。

    国王・王妃が福島をご訪問され、鎮魂の祈りをして下さったこと、皆さんへの想いを示して下さったことも感謝しています。二人が福島を訪問したのは、単に鎮魂のためだけではなく、尊敬・称賛の意を示すためでもありました。マグニチュード9.0という巨大な地震とそれに続く津波・原発事故という前代未聞の困難な災害の中で、混乱することもなく、思いやりや助け合いの精神という根本的な人間としての価値観を勇気を持って示した日本人に、ブータンだけでなく世界中が感銘を受けたのです。

    今回の件で、日本人は本当に称賛を浴びました。経済発展で成功する過程で、伝統的な価値観を失っていなかったことを示したのです。自分を律し、責任感と勇気とともに困難な状況から立ち上がり、決意を持って家族に手を差しのべ、社会に連帯感を示す。そうした素晴らしい価値観が明らかになり、世界は感動したのです。

    私も、国王に先立って福島に行きましたが、人々の強い精神性に驚きました。この困難から立ち上がり、必ず復興するんだという強い決心を感じ、感銘を受けました。この災害で失ったもの、破壊されたものが極めて多いという状況の中で、共同体、国として新しく立ち上がることを信じている。その決意は、新しい日本の始まりを予感させました。人々は国を活性化し、強化する最善の道を探しています。未来に向けて、日本の形がより意義深く、より持続可能なものになるスタート地点にいるのです。

    私は過去6年に何度も日本を訪問し、その度に、GNH(国民総幸福)という従来とは違う開発のパラダイムについてお話をしました。経済一辺倒ではない新しい国のあり方について、日本ほど真剣に受け止めてくれる国は世界中のどこにもありません。

    日本は、従来的な経済発展に関しては世界のトップを実現しました。しかし今、これまでのやり方の限界や課題に直面していると思います。皆さんは、経済という意味で、究極的に成功し、ある意味でこれ以上進むところがないというところまで来ました。これまで、政治家、企業家、芸術家など色んな分野の日本人とお会いしましたが、今のままの日本ではダメだという認識は共通でした。

    現在、日本の皆さんは、経済成長、ひいては国のあり方について、色々な選択肢を模索されていると思います。私は、日本が色んな道の中から、きっと最適なものを見つけられると確信しています。皆さんは、知見も経験もある。新しい道を見つける勇気もある。きっと世界に示す成長の道を見つけてくれると信じています。その新しいモデルは、古代からの知見を活かしながら、最新のテクノロジーを意義深く使い、社会システムをより意義深くする仕組みになるでしょう。

    日本の皆さんが新しい道を探す過程で、ブータンが少しでも貢献できることに感謝しています。ブータンのGNHの哲学については、GNH委員会の長官から話を聞いて学んで頂いたと思います。GNHに関して、私から重ねて説明する必要はないと思いますが、質問があれば仰ってください。」

    P1000817.jpg

    訪問団
    「首相の講演録をはじめ、多くの本を読んでGNHについて学んで来ましたが、首相自身にとって、GNHとは何なのでしょうか。」

    首相
    「どんなブータン人にとっても、私にとっても、GNHというのは人生にとって何が一番大切かということです。何が一番大切かという質問を自分にぶつけたとき、『幸せ』ということが、自然な望みとして、説得力を持って浮かんでくるのではないでしょうか。人生の目的は幸せになることと、尊敬するダライ・ラマ法王も言っています。

    今日の物質社会で、国のリーダーが考えるのは、人々がもっとお金を持ったり、良い家に住んだり、車を持ったりすることを実現するということになりますが、そういった物質的・金銭的満足よりも、幸せになることが本来の目的であるはずです。

    では、幸せになるために何をしたら良いのでしょうか。私達は、お坊さんでも尼さんでもありません。そんな普通の私たちにとって、GNHは『バランスをとる』ということ。物質的豊かさと、精神的豊かさのバランス。体と心のニーズのバランス。私にとってGNHとは、バランスをとることだと思います。

    GNHで大切なのは、人間関係です。家族や共同体のレベル、例えば奥さんとでも、友人とでも、近所の人とでもいいのですが、一人一人が幸せで信頼に満ちた関係を作れるかどうか。言い換えれば、家族、社会の中で何かがあったときに、人々を助けられる自信があるかどうかということ。このことを、日本の皆さんは大震災で示してくれました。大切なのは本当の豊かさとは何かということ。それを再整理するのがGNHの役割と思っています。」

    P1000666.jpg

    訪問団長(団塊の世代の方です)
    「団を代表してお礼を申し上げます。昨年7月からこのメンバーで研鑽を積んでおり、欧州、アジアの各国を回ってきましたが、最後にブータンに来ることが出来て、本当に良かったです。感謝しています。

    この団のメンバーは企業の将来の経営幹部たちです。企業の経営環境は、日本では芳しくありません。多くのリスクがあり、世界経済が混沌とした中で、いかに各企業が生き残り勝ち抜いていくかを日夜苦しんで戦っています。

    首相の数々の言葉の一言一言に、私とメンバーは勇気づけられました。私達の日本の強さ、忘れていたことを思い出させてくれました。私たちは資本主義の中で頑張ってきたが、本来は人本主義がもっと大切であるということが思い出されてきました。日本も資源がなかったので、世界に出ていけたのはすべて人の力でした。

    今回、GNHに関心をもって勉強してきましたが、GNH委員会長官、そして首相の話を直接伺って、私はひとつの確信を持ちました。リーダーシップをとる人が、ビジョンと確信を持ってみんなを引っ張ろうとしている。そのことを強く感じました。

    日本が新しいモデルを必ず作ると言って頂きました。それは、ここに集まっているメンバーの世代が中心になってやって行くことになります。日本の成長・発展を支えてきた旧世代と、新しい若い世代の間の世代としてリーダーシップを取るのがここにいるメンバーの世代(30代後半~50代)です。

    今日GNH委員会の長官が、ブータンの一人一人がリーダーであるべきと言ってくれました。そういう感性が大切です。改めて、人の力の総和というのを原点に、企業のあり方、社会との関わりについて、我々が核となって、引っ張っていかなければいけないと思いました。

    ブータンにとってとても大切な龍の年に、首相とお会いすることができたことについて、2012年の龍にこれからもずっと感謝するでしょう。本当に有難うございました。」

    首相
    「残りの滞在を楽しんで、良い思い出を作ってください。私は皆さんが次の世代のリーダーとなって、新しい日本を導き、世界の光となることを確信しています。」
    首相官邸集合写真

    首相は最後に一人一人と丁寧に握手をして下さいました。
    僕は最後に順番が回ってきたのですが、握手だけではなく、「よくやった」と抱きしめて頂いたときは感無量でした。通訳はお互いの呼吸を読みながら行う必要があったので、言葉を選びながらの即時通訳は緊張しましたが、首相の気遣いもあってスムーズに行うことが出来ました。講話の途中、「GNHについてはMr.Takahashiも良く分かっているので、是非聞いてください」と仰って頂けたことも感激でした。素晴らしい話を間近で聴くことができて、首相フェロー冥利に尽きます。
    公式行事(ティンレイ首相15)

    文字では伝わりきれないかもしれませんが、首相の心からの真摯な言葉に、涙を流している訪問団の方も多くいらっしゃいました。「言葉の力」を強く感じた瞬間でした。

    「日本は必ず新しい日本を作り出す」との首相の言葉。大震災の後、僕自身もこれをきっかけに日本が変わるのでは、という期待を持ちました。しかし、国民の期待を裏切るように政治は混迷を続けています。
    そこで胸に刻みたいのが、GNH委員会の長官が言った、「国民一人一人がリーダーになる必要がある」との言葉です。政治や社会が変わるのを待つのではなく、一人一人がリーダーシップを発揮して変化を進めて行く。その先に、「新しい日本」がようやく生まれるのかもしれません。

    ちなみに明日、初代首相フェローの御手洗瑞子さんの本が発売になります。
    タイトルは「ブータン、これでいいのだ」
    彼女が見た首相や長官のリーダーシップもきっと載っていると思うので、是非読んでみて下さい!


    ちょうど同じ明日、田中敏恵さん「ブータン王室はなぜこんなに愛されるのか〜心の龍を育てる国のすべて〜」も発売になります。
    この5年で8回のブータン取材を敢行し、国王夫妻の来日時には京都にも同行しプライベートな茶会にも招かれたという田中さん。彼女がひもとくブータン王室、気になります。僕もちょっとだけ情報提供したのですが、どんな仕上がりかは知らないので、読まれた方は感想を教えて下さい。田中さんのブログはこちら:ブータン国王の本を書きました!


    地球の歩き方ブータンの新版も3月10日に発売されるみたいですね。是非皆さんブータンにお越しください!


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    https://www.facebook.com/taktaktictac
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    2012/02/27(月) 14:52:30 ブータンGNH (Bhutan GNH) Trackback::0 Comment::2
    <<読売テレビ「グッと!地球便」でブータンが紹介されます | ホーム | エベレストの絶景 View of Himalaya and Mt. Everest>>

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    1. 2012/02/28(火) 20:52:39 |
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    1. 2012/03/07(水) 18:29:27 |
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