Appreciate Happiness ブータン・ブログ

    ブータン政府で首相フェローとして働いた日本人のブログ。Bhutan Blog by a Japanese worked as Bhutan Prime Minister's Fellow.

    スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    --/--/--(--) --:--:-- スポンサー広告 トラックバック:(-) コメント:(-)

    ブータン首相フェローとは? What is Bhutan Prime Minister's Fellow?

    最近多方面から、ブータンの「首相フェロー」って何?と良く聞かれます。
    「首相補佐官」?ブータンの首相と毎日顔を合わせてるの?と疑問に思ってる方もいらっしゃるかもしれません。
    以前も少し書いたことはあるのですが、最近ブログをご覧になった方も多いと思うので、改めて説明できればと思います。
    I'm working in Bhutan as "Bhutan Prime Minister's Fellow." People often ask me "What is it?" "Do you meet the Prime Minister every day?"
    Let me explain about the fellowship.

    首相フェローのプログラムは、ブータンの発展に貢献する熱意のある若手の外国人を、ブータン政府の役人として一年間招聘するプログラムです。
    政府としてはフェローの持つ経験や専門知識を生かすことができると同時に、その個人にとってはブータンのユニークなGNH政策と開発へのアプローチを体験できる、win-winのプログラムになっています。
    このプログラムが始まった背景には、ブータンで専門性の高い人材が各方面で足りていないという政府のニーズにあります。政策遂行の多方面にわたって、外からの知見を必要としているのが現状です。

    This fellowship is provided by the government of Bhutan to young professionals from abroad who have a passion to contribute to the country's development. The fellowship provides an opportunity for a fellow to experience Bhutan's unique development approach pursuing GNH, and in turn Bhutan will benefit from the fellow's expertise. It is a win-win situation.

    この首相フェロープログラムは昨年始まったばかりの新しいもので、僕でまだ二人目です。初代は御手洗瑞子さんで、彼女は政府観光局に入って、観光の活性化に尽力しました。
    彼女の仕事やブータンについての分析は、日経ビジネスオンラインの連載に詳しいです。
    http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110610/220679/?rt=nocnt
    2月には本も出されるそうで、予約が始まっています。


    I am still the second fellow since the program just started in 2010. The first fellow was Tamako Mitarai also from Japan. She worked in TCB, Tourism Council of Bhutan, to promote tourism.
    Some ask me if I'm also working for tourism, but that's not the case.
    It depends on each fellow's expertise and interest which area and organization to work for.

    最近AERAの「日本を立て直す新世代100人」で御手洗さんが取り上げられていたこともあって、「高橋さんも観光の活性化をしているのですか?」と聞かれるのですが、僕がやっている仕事は全く違う分野になります。
    首相フェローがブータンのどういった分野やどの組織で1年働くかは、政府の優先分野と、フェロー自身の関心分野・専門領域によって変わってきます。

    僕は大学院で途上国の経済開発、特にマイクロファイナンスを勉強し、その前はマッキンゼーという経営コンサルティング会社で金融セクターを担当していたこともあって、現在はブータンの中央銀行(日本で言う日銀ですね)に入り、特に貧困層向けの金融サービスの拡大(Access to Finance)に取り組んでいます。
    詳しい内容については、このブログ記事で書いています。
    http://thanks2happiness.blog.fc2.com/blog-entry-16.html
    Because I studied Microfinance at a graduate school in Georgetown University and worked for financial sector clients at McKinsey before, I'm working at RMA (Royal Monetary Authority of Bhutan, the central bank) to improve access to finance and promote Financial Inclusion. Refer the link above for more details about my work.

    実際にやっているのは、一つは金融包摂(Financial Inclusion)政策の立案や関連規制の見直し。
    二つ目は金融リテラシー向上プロジェクトとしてテレビドラマの案を立てたり、新聞に連載する記事を書いたり、学校で子ども向けに行う研修プログラムを考えたりもしています。
    その他、国際機関と話をして必要な資金を取り付けることにもトライしています。

    P1070271.jpg
    (本業とは別に、日本からブータンを視察・観光に訪れる訪問団のお手伝いなども時折させて頂いています。写真は観光名所のタクツァン僧院
    In addition to my main task, I also support some official visitors from Japan as a guide/interpreter.)

    「首相フェロー」と言いつつも、普段は首相と接することはほとんどありません。これまでのところ、最初に赴任したときにご挨拶をしたのと、先日ある公式行事でお会いした際に少し近況を報告したくらいです。
    (追記:今週、日本からの訪問団と首相との会合に付き添ってすごく感動的なお話が聞けたので、またブログにアップします!)
    ただその分、GNH委員会の長官(ブータン政府の実質ナンバー2とも言える立場)とは自分が会いたければいつでも会って話をできるようになっています。
    I don't have daily interactions with the Prime Minister, but I can meet the Secretary of GNHC (Gross National Happiness Commission) anytime I need.

    この首相フェローのプログラム自体が、GNH委員会 (Gross National Happiness Commission)によって運営されているので、給料などはGNH委員会から支払われています。GNH委員会は、日本で言うと内閣府に近く、5か年計画の策定や実行に関する各省庁のコーディネートや、GNH(国民総幸福)戦略の立案を担当しています。

    The fellowship is supported by GNHC, which is the central government body for coordinating policy formulation and implementation and developing a strategy for GNH.

    「首相フェロー」と言うと結構いい給料をもらっているのだろう、という誤解もたまにあるようなのですが、日本の給与レベルと比較すると、給料は非常に低いです。ブータンの国家公務員の若手レベルの給料になるので、月給は2万円です。
    「でも日本政府とか、企業からサポートが出てるんでしょ?」という質問も良く聞くのですが、このプログラム自体には日本政府は全く関与しておらず、僕は前職も留学前(2年半前)に辞めているので、現在の収入はブータン政府からの2万円のみです。住居は提供してもらっていて、物価は低いので食べるのには困らないのですが、貯金はもちろんできません。

    Some think I'm well paid as the Prime Minister's Fellow, but the salary is very low from Japanese standards since it's based on the entry level as a Bhutanese civil servant. My salary is Nu12,500 (about 250USD) a month.
    I don't have any additional financial support from the Japanese government nor any companies, so 250USD is the only income right now. However, GNHC provides me housing, so the salary is sufficient for food and daily expenses.

    この点については、この仕事を取るかどうかを決める際に悩みました。アメリカの大学院が自費留学でかなり経済的に大変だった(この点については留学に関心のある方のためにまた別途書きたいと思います)ので、卒業後にこの給与水準で大丈夫か、と。

    The salary was the biggest concern for me when I was considering this opportunity. The tuition I paid for the Master degree in the US was very high, so I wondered if I should accept this level of compensation right after the graduation.

    でも、途上国政府の中に入って、首相や大臣レベルの人達と仕事をし、一国の発展に貢献できる機会というのは、途上国開発を学んだ身としてはまたとない機会です。
    また、ブータンはGNHという概念を知ったときから、ずっと憧れていた国でした。訪問も簡単ではないブータンで、1年間仕事ができる。このチャンスを逃すべきではないと思い、首相フェローとして働くことを決断しました。
    機会費用(他の仕事をこの一年していれば得られる収入)も考えると、短期的に経済的には最善の選択ではなくても、長い人生で見れば、このチャンスを取らない方がきっと後悔したんじゃないかなと思っています。

    However, as a person pursuing a career in development (economic development of developing countries), the opportunity to work for development with top leaders of a country was too precious to miss. I had been dreaming to work in Bhutan since I had gotten to know about GNH, so I decided to take this opportunity.
    It may have not been the optimal financial decision in a short term considering the opportunity cost (what I can earn by another job abroad), but I thought I would regret in the future if I didn't take this chance.

    実際にブータンに来て、自分が大学院で勉強したことを直接生かせる立場での仕事を楽しんでいます。ブータンでは何事も思うようには動かずストレスもありますが、「郷に入っては郷に従え」なので、ブータン人のゆったりしたペースを乱さないように、でも必要なことはきちんと推し進めていけるように、バランスを計る毎日です。
    I've been enjoying my work which is exactly what I studied in the Master degree. Sometimes I feel stressed by things not going as smoothly as I expect, but I try to follow Bhutanese pace while I'm in Bhutan.

    残り8か月を切ったので、仕事を加速させるとともに、少しずつブータン後のキャリアも考え始めなければいけません。その辺りの悩みもたまに書いて行ければな、と思います。
    Since it's less than 8 months left with my fellowship, I need to start thinking about the next career...

    303747_10150376826332013_510062012_8398839_1467931004_n.jpg
    (ブータンにいる間にお二人とお話する機会があればなぁ、と夢想するのがミーハーな本音
    I wish if I could meet Their Majesties, the King and the Queen while I'm in Bhutan!)

    ちなみに首相フェローは、良い人材が現れた場合、政府としては毎年二人まで採用する用意があるそうです。つまり、現状でももう一人空席がある状態です。
    このプログラムは日本人に限っていないのですが、これまでたまたま日本人が続いています。
    首相フェローに求められる資質は、一定の英語力に加え、何よりも自分で動いて自分で課題を設定し、周囲をうまく巻き込んでプロジェクトを実行していく力だと思います(まだまだ僕も試行錯誤中です)。
    3年以上社会人として経験を積み、ブータンでその専門知識を生かしてみたいという熱意のある方は、是非ご検討下さい。
    By the way, the government of Bhutan is willing to take two fellows each year. Even now 1 more fellow can be hired in addition to myself.
    The nationality is not limited to Japanese. If you have a few years of working experience and expertise that fit to Bhutan's priority, please consider applying to the fellowship!
    I would say the most important capability required for the fellow is the proactive attitude to identify key issues, involve stakeholders to solve the issues, and manage and implement a project him/herself.
    If you have a strong passion to contribute to GNH, take the opportunity!

    詳しい募集要項はGNH委員会のページをご参照ください:
    Refer this link for TOR etc:
    http://www.gnhc.gov.bt/index.php/bhutan-prime-minister-fellowship/

    Facebook「ブータン首相フェロー日記」でも是非フォローしてください!
    https://www.facebook.com/taktaktictac
    ツイッターでもブータン情報を呟いています。
    https://twitter.com/#!/taktaktictac
    関連記事
    スポンサーサイト
    2012/01/13(金) 21:29:01 首相フェローの仕事 (PM's Fellow) Trackback::0 Comment::0
    <<Facebook始めました | ホーム | ブータンの年末年始 A Happy New Year from Bhutan!>>

    Comment:

    コメントの投稿

    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック:

    トラックバック URL
    http://thanks2happiness.blog.fc2.com/tb.php/28-40ea5d64
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。